京都水無月大賞こぼれ話 其ノ壱

みなログをご覧下さってる皆様こんにちはこんばんは。
三省堂書店京都駅店の中澤です。

「祝!みなログ初自分更新!」としまして、書店業界紙新文化」の【レジから激!】のコーナーで掲載していただいた水無月大賞ルポをお届けします!
そうなのです。
実は今年の1月から6月の間、月1回水無月大賞ルポとして書かせてもらってるのです。
ちょうど水無月大賞と時期同じや〜ん。
よっしゃ水無月大賞をまずは身内に宣伝しよかと勝手にルポ化してるというのが実態ですが。
こうしてブログへの転載も許可してくださった新文化さん、ありがとうございます。
そんなわけで記念すべき(?)、第1回は京都水無月大賞誕生秘話(笑)
実はこんなふうにして生まれました。

        1. +

時は二〇〇七年十一月三十日。所は京都・先斗町、とあるカジュアルダイニング。
京都六書店の文芸・文庫担当者(全員女子)が揃って気の早いクリスマス会で交流を深めておりました。鴨川を臨む景色に美味なる食事、ほろ酔い気分で和気藹々。各々がおすすめの文庫をクリスマスプレゼントとして交換し合ってそれはもう女子大生の様にきゃいきゃいと盛り上がっておりました。
女子大生と言ったのは決して見栄でも虚勢でもありません。お店の方に「大学の文学サークルの集まりですか?」て聞かれたので、しっかりきっぱり第三者的意見でございます。

しかしこの日設けられた席の最大の目的は「京都発信・文庫ベストセラーつくろう!」の会を結成せんがため。

始まりは去年の本屋大賞二次会でのこと。
私とK社・Oさんは大胆にも酒飲み書店員のお歴々に「うちらも参加させておくれやす」と頼み込み、その場で酒飲み書店員の会京都支部を立ち上げました。

快く迎えて下さった心優しき酒飲み書店員の会の説明は本誌を購読されている皆様には今更でしょう。
埋もれた作品を掘り出し、仕掛けてきっちり数字を出すという職人仕事とセンスに流石だなぁ、すごいなぁと敬服しておりました。
同時に書店、版元の垣根を越えてより面白い本を世に送り出そうとする結束が羨ましくて。
そんなわけで第三回の選考に参加させてもらった私とOさんは誓いました。
いつか京都でこんな大賞を作ろう!と。そして昨年の顔合わせとなったのです。

幸いなことにすんなり女子会メンバーの合意がとれ、あれよあれよと初顔合わせの場で京都大賞(仮)の話は進みました。

「大筋は酒飲み書店員の会を継承するとしていつ発表にする?」
「四月の本屋大賞は避けなあかんやろ」「あと芥川直木も」「七月からは夏100があるしな」
「そやったら六月は」「それや!」
「そしたら次は賞の名前やなぁ」「京都大賞やったらあかんの」「かわいないやん」「もっとこう京都らしい言葉でやなぁ」
水無月大賞てどうやろ」「それや!」

かくして京都水無月大賞誕生。
果たして無事二〇〇八年六月発表はなるのか?
京都でこっそり発足したこの大賞の運命やいかに?!次回へ続く!

                               (新文化 2008年1月31日付より)
三省堂書店京都駅店 中澤)