京都水無月大賞2010 Aブロック③『さまよう薔薇のように』

さまよう薔薇のように (角川文庫)

さまよう薔薇のように (角川文庫)

推薦者:大垣書店五条店 杉山

「永遠不変の憧れ、ハードボイルド」
矢作俊彦氏はハードボイルドを書かせたら日本で5本の指に入ると思います。
長編になると話が大きくなりついていくのに苦労することがありますが、
この作品は短篇3本でまとまっており、それぞれ起承転結もしっかりしており読みやすいです。
ところどころ古臭いと思われる部分もありますが、猥雑とした横浜の描写は臨場感あり、
なんといっても軽妙な台詞回しや小道具の使い方が非常にかっこいい!
草食男子には到底たどりつけない、このカッコよさ、男らしさ!
これは時代が変わっても不変なものであり、個人的には永遠に憧れる「カッコよさ」です。
ウィスキーやブラックコーヒーなどをお供に読むと気分が高揚しオススメです。