レインレイン・ボウ 加納 朋子著

京都 水無月大賞ブログ、略して「みなログ」をご覧の皆さん、こんにちは。
この企画に参加させていただいて、めちゃラッキーと思ってるふたば書房販売部佐藤です。


さて、私が推薦する文庫は、加納朋子さん著「レインレイン・ボウ」です。

日常の謎”系で、各編に謎があり、そして全体にも大きな謎があるという、すぐれた構成です。
しかもそれぞれに雰囲気が違うので、飽きさせません。
それだけで、読みやすくて面白いミステリー間違いなし!なのですが。。


特に、25歳以上の女性の方々に読んでいただきたいと思い、
このたび推薦しましたっ。


高校のソフトボール部だった7人の女性が、一人の死を通して再会するところから始まります。

7人がそれぞれの短編で主役。彼女たちの個性に沿って物語が展開します。
雰囲気がまるで違うので驚きました。
また、友人同士7人の視点からなる連作短編ということで
ある人が考えているある人のキャラクターと、別の人から見たある人の描写が違っていたりします。
これは実際にも起こることだと思いますが、他人の視点から覗く感じで、面白くって・・・。
面白いだけでなく物語的にもひと捻りもふた捻りもあるわけなんですけど・・・。


友達だからって理解し合っているわけではないんですね。あたりまえですけど。
困ったとき助けあうのが友情、っていいますが、
どう助けてもらえばいいか、どう頼ればいいかわからないものかもしれない。
それが普通かな、と思います。
だから、手を差し伸べたい人がいるとしても、してあげられるはずもない。

重なりあっているのは、ほんのほんの、ほんの一部だから。

レインレイン・ボウ、タイトルの意味は「雨」「虹」、各章のタイトルには一人にひと色、色の名前が織り込まれています。
色と色が重なりあって虹になるように人と人が出会って素晴らしい物語に仕上がっています。


…あっと、もちろん、これは私の解釈で感想です。
小説の文体はあっさりしていますから、謎解きを愉しむもよし、
人間関係をどっぷり深読みするもよし。


ぜひ一読してみてください。



(ふたば書房 販売部  佐藤)

レインレイン・ボウ (集英社文庫)

レインレイン・ボウ (集英社文庫)

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