4月に入ってすっかり春めいている今日この頃。第二回京都水無月大賞の発表まであと一月半となりました。一月半かけてノミネート作14作をご紹介していきます。

クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫)

クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫)

恵文社バンビオ店大瀧がオススメするのは、こちら。

大人の都合で振り回されて、文句言ったら「こどもはだまってなさい!」なんて言われた幼少の記憶がよみがえる…理不尽!でも、いつの時代も”そういうこと”があったようです。

舞台は1970年代の神戸。ガンダムはっぴいえんどに夢中なある日、都会から同い年のイトコが一人で引っ越してきた。どうやらフクザツな「オトナの事情」が絡んでるみたい。振り回されてる彼は、平気なフリをしてるけど、ほんとは悩んで困ってる。どうする?おれたちに何ができる?いま、あいつのためにできることしなきゃだろ!!


困難に立ち向かっていく姿がまぶしい。


アホすぎるまっすぐさがいとしい。


あきらめることを知ってしまった背中がせつない。


少年期の終わりをとても丁寧にすくっていて、そこがとても好いです。おとなの階段、のぼっちゃってます。表紙イラストからくるさわやかイメージのちょっと斜め上をいく、少年たちの成長ストーリー。舞台は神戸やけど、京都でもオススメです。