野中ともそ『宇宙でいちばんあかるい屋根』

誠にもって残念なことに最終選考に残りはしなかったものの、三省堂書店京都駅店では熱烈オススメ中です。
野中ともそ『宇宙でいちばんあかるい屋根』。

野中ともそさん、実は個人的にすごく好きで、ブレイクを願ってやまない作家さんなのです。
その中でも私のお気に入りの１冊を推薦しました。
１４歳の女子中学生つばめちゃんと、正体不明な上にキックボードを乗り回し、毒舌を振るう奇天烈なおばあちゃん・星ばあの奇妙な交流の日々を描いた小説です。
星ばあの言葉がそれはもう鮮烈。
14歳の女の子に何もそんな・・・って思ってしまうほどイジワルで容赦なく厳しく、力強い言葉。
なのに言葉の端々ににじむ思いやりとやさしさ。
くぅ〜しみるなぁ・・・っ！
悪態ついてばかりだったつばめと同様いつしか、星ばあに特別な親愛の情を抱いてしまうのです。あぁ。星ばあが忘れられない。
そして星ばあの名言以外も、じーんっとしみてきます。
14歳の少女の平穏そうな中でも息苦しさを感じる多感さがなつかしくて。
誰かが誰かを思いやるやさしさには、泣きたくなるようないとおしさがこみ上げてきて。
見上げた星空のように、静かにやさしくきらきらと光るとてもとてもすてきな1冊です。
中身がよけりゃ、表紙もこりゃかわいい！
たくさん並べると棚に映えるんですよねぇ。

京都駅へ起こしの際はぜひチェックしてみてくださいね。