2011京都水無月大賞Aブロックノミネート作『ねこに未来はない』『プルミン』

『ねこに未来はない』長田弘(角川文庫)

ねこに未来はない (角川文庫 緑 409-2)

ねこに未来はない (角川文庫 緑 409-2)

猫好きの方も、そうでない方も。
猫が好きではなかった「ぼく」が夢中で好きになったのは、大変な猫好きのひと。
猫好きなぼくの奥さんとぼく、そして二人のあいだを通りすぎていった猫たちとの暮らしを、
豊かな表現とユーモアで綴った物語エッセイです。
長新太による少し気の抜けた猫たちの挿絵もほのぼのと可愛らしい。
詩人のまなざしを通して描かれる、つやつやとした生まれたての日常。
愛すべきパートナーと暮らすすべての方に読んでほしい、あたたかな思いやりに満ちた作品です。
恵文社一乗寺店・池田さん推薦コメントより)


『プルミン』海月ルイ(文春文庫)

プルミン (文春文庫)

プルミン (文春文庫)

ある日、小学校の児童が一人亡くなった。いじめっ子としてクラスや保護者の間で有名だった
その生徒が死に至った背景には、農薬が混入された乳酸菌飲料「プルミン」の存在が。
いじめっ子は殺されるべくして殺されたのか?それとも無差別殺人なのか?
住宅団地という閉鎖的な空間で巻き起こる、人間の怖さや醜さ。毒物混入事件を題材にして
それらをテンポよく描くこの小説。
読みすすめて行く内に登場人物の考え方や気持ちに深く同意してしまっている自分がいます。
爽やかな後味や爽快感等はありませんが、なんとなく引き寄せられる魅力があり、
気づけば一気読み。悪意は無いのに、悪意に感じられる言葉の応酬に
「あぁ、こういう言い方する人いるなぁ」と共感する事多々あり。
個人的に、映画化するなら主演は松たかこさんにお願いします!!
(ふたば書房山科店・下岡さん推薦コメントより)